水処理プラントの管理


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 故障・保守 (3 点検)

6 最初沈殿池の点検及び養生


水処理において最初沈殿地の数が多いため複数の池を停止しなければ水処理への影響はほとんどありません。
ただ、処理場によっては該当系列の流入量が変わる場合があるので、該当系列の可動堰の調整が必要な場合があります。

1 最初沈殿池の運用停止


(1)流入可動堰を「全閉」にします。
(2)点検対象の最初沈殿池の自動制御を「休止」モードにします。
これにより
①初沈汚泥引き抜き弁の休止
②初沈汚泥掻き寄せ機の停止
③スカムスキマ停止(連動する機場としない機場がある)
(3)各対象機器の「手動」「機側」モードに変更します。
(4)汚泥引き抜き弁(エアー弁)は誤操作で開けると困るので池側の手動弁を閉めておきます。


2 池排水を開始
池排水ポンプラインの手動弁を開け、池排水ポンプを使用して排水を行います。
各池の排水弁の状態が不明(閉まっているはずですが)確認をしたのち対象池の排水弁を開けます。


注意点
大概の手動バルブは固いので開閉にはパイプレンチなど工具が必須です。

手動バルブの開・閉の掟
①全閉はある程度力を込めて(特に古いバルブ)閉めないと止水できませんが、閉めすぎると今度は開けるときに大変です。 開けられず、でかいパイプレンチを使ってバルブ開閉機構を壊した経験があります。
②開の場合は、全開近くで問題ありません。
新人は工具を使って固くなるまで開けてしまいます。再度、閉めるとき大変です。全開近くでは工具を使用せず、手で軽く全開にします。 バルブの開度で「全開近く」と「全開」で流量的にはほとんど変わりません。




3 池内点検準備
最初沈殿池は臭気対策のために覆蓋されています。池内の点検には、覆蓋を開ける必要があります。
この作業の際、池内への落下などの危険があるので安全帯などの器具を使用します。
覆蓋の取り外しは、池内の換気が充分に行われるように取り外します。


4 池洗浄
池内に汚泥が残っていると硫化水素などガスが発生します。 池内はきれいに洗浄し、ピット内に汚泥が残らないように清掃します。



5 池点検
(1)安全対策
池内に入る前に、ガス検知器で測定を行います。 覆蓋の開口部が構造上少ない場合には、換気設備を用意して強制換気を行います。
ガス測定作業は、常時覆蓋されていた施設は必ず行います。大丈夫だろうとの感覚で手抜きをしてはいけません。
また、ガス検知は作業中連日行います。昨日がよかったからと手抜きをしない。
1日経つときれいと思われる洗浄水も汚泥を含むと腐敗ガスを発生させます。
(2)工具の準備
必要と思われる作業工具を準備しておく
(3)点検作業
以下の状況確認を行い、写真及び記録に残します。
①主務チェーンの弛み調整(テイクアップ)、掻き寄せ機の調整運転実施
②スプロケット、レール、シューの摩耗測定
③サポート類の腐食確認
なお、池内点検作業中は、池上でガス検知や工具の上げ下ろしを行う作業員(1~2名)を待機させておきます。
(4)作業後
作業後は工具類等回収を行い、忘れ物を確認します。
最後に確認運転を行います。


最初沈殿池の点検箇所の例
当時は、主務チェーン、スプロケット等の材質はSS製ですが、現在はほとんどプラスチック製の製品に変更されています。

6 池復帰
(1)逆洗水ライン(処理水)などを利用して処理水を注水します。
洗浄水は使用しない。ろ過水なのでコストがかかっています。
(最初沈殿池の場合、可動堰を開けて入れても問題ないですが、初沈が空の状態で入れすぎると、他の池に下水が流入しなくなります。)
(2)ある程度、満たされたら逆洗水の給水を停止し流入稼働堰を開けて下水を流入させます。
(3)手動で操作したバルブ関係を点検し、通常運用状態になっているか確認します。
(4)各機器の「手動」「機側」モードを通常状態戻します。
(5)下水流入後、1時間程度で「休止」モードを解除し、通常運転にします。






作業工具類(例)


準備作業 点検作業 安全対策
・パイプレンチ
(バルブ、可動堰操作)
 
・洗浄用ホース・ノズル類
・パイプレンチ(パイプ付き) ・大・小モンキーレンチ類
・小型ハンマー
・貫通ドライバー(-)、
   その他ドライバー類
・ボックスレンチ類
・テストハンマー
・投光器(槽内投光)、電工ドラム
・2段梯子(ケースにより)
・ノギス類
・必要による追加工具及びウエス類
・CRC556(必須?)
・電動グリスガン、オイル等
・写真用デジカメ(不良箇所の撮影)
・記録及び点検用紙

 
・安全帯、作業用ロープ類
・換気用送風機、安全ブロック
・ガス検知器

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